プレッシャーから解放される「居場所」
【訪問団体】
【団体概要】
LGBTQの若者向けのサポートに特化した非営利団体。彼らの健康・成長を手助けすることを目的としている。主な活動はワークショップ・カウンセリング・コーヒーハウス・HIV啓蒙活動・アフリカンアメリカン/ラテンアメリカン対象の性教育やイベントなど。
【アクティビティ】
今回私達はNew York郊外のBellmoreにあるコーヒーハウスにお邪魔しました。コーヒーハウスとは毎週金曜日に開かれている、LGBTQやアライの子どものためのコミュニティスペースです。
まずスタッフの方がワークショップやコーヒーハウスの運営などについて詳しく説明して下さいました。印象的だったのは、時代によってワークショップの内容を変えているという点です。昔はセクシュアリティの定義から説明していたそうですが、近年ではLGBTQをどう受け入れるかということに重点を置いて講演しているようです。
その後、コーヒーハウスに来ている子ども達に話を聞きました。私達が訪問した日は30-40人程度おり、その多くが中高生でした。学生の生の声を得ることができ、今までアメリカにおけるLGBTQを取り巻く状況に関して勘違いをしていた点に気付くことができました。
まず第一に、学校でLGBTQに関して教育を受けられるとは限らないことです。私達が話を聞いた学生の多くが「学校でLGBTQについての授業はない/なかった」と回答しました。
そして、LGBTQの子どもに対する差別・偏見は今でも根強くあるということです。特に宗教的な立場から同性愛などを受け入れられない人が多く、そのような家庭で育って苦労したという話をメンバーから聞きました。
しかし何よりも、子ども達の安心した表情が最も心に強く残りました。ここでは「セクシュアリティを隠さなければならない」というプレッシャーに苦しむことなく過ごせる居場所であることが伝わってきました。
【感想】
ワークショップの内容についてのお話が印象的だったのには理由があります。私自身学校などに出張し、LGBTQについてグループワークや講義をすることがありますが、こうした活動にどれほど効果があるのか疑問に思うこともありました。しかし体験や知識を提供することで少しずつ理解が広がっていくケースを実際に知ることができたのは非常に今後の励みとなりました。一つひとつは小さな活動かもしれませんが、その積み重ねが大きな変化をもたらせるよう自分も頑張っていこうと思いました。
また、LGBTQの子ども達にとって支えとなる仲間を見つけることは安心感に直結することを感じました。当事者のみならずアライもコーヒーハウスに入れる理由をスタッフの方に伺ったところ、一人では来づらいため友達を連れてくることが多いからだと仰っていました。LGBTQの子が安心している様子を見て、アライの友達も安心できるとのことです。こうした場があることで、救われている子どもたちは数多くいることでしょう。(さえ)
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